私たちの農園では、午前と午後の業務を始める前に実習生を含めスタッフ全員が集まって簡単なミーティングをしています。(これを朝礼、昼礼と呼ぶ会社もありますね。)
今回の記事では、この毎日の全体ミーティングについて私たちが行っている工夫を紹介します。
仕事開始前の5分間全体ミーティング
農園では、朝と昼の仕事開始前に5分間の全体ミーティングを行っています。
実習生を含めてスタッフ全員が参加し、自分がどのチームで、どの場所で、どんな作業をするかを確認します。
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日報等の記入完了報告(インドネシア人実習生が担当)
実習生は日報や安全管理チェックリストなどを毎日記録することになっていますが、朝のミーティング時に報告してもらうことで、記入忘れを防ぐようにしています。
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前日生じた問題やクレームの報告と改善策の提案(園主と農場長が担当)
万が一、問題が生じた際には朝のミーティングで改善策とともに報告しています。あるチームで生じた問題が別のチームで起きないよう全員で情報を共有することが重要です。
現在のミーティングの形式に至るまで
以前は、このような毎日の全体ミーティングは行われていませんでした。園主や農場長の指示で圃場に移動し作業を行っていたのですが、それだと指示があるまで動けません。また、他のチームがどこでどんな作業をしているかを理解していた方が、連携が取りやすいという意見があり、まずは朝のミーティングを行うようになりました。
続いて、その日の天気や仕事の進み具合などで午後の作業内容が大きく変わることがあることから、昼のミーティングを行うようになりました。また、それまでは作業前にスタッフ全員が集まるという習慣がなかったので、誰がどこにいるのかを確認できない時がありましたが、全体ミーティングで一度集まることによってその問題はほとんど生じなくなりました。
実習生にミーティング内容を伝えるための工夫
全体ミーティングでは、日本人スタッフも全員参加しているため、実習生にとっては話される日本語のスピードが速く、難しくなりがちです。話をする園主や農場長も気をつけてはいるのですが、作業開始直前の慌しい時間帯ということもあり、一対一で話す時のようにゆっくり丁寧に、という余裕がないのが実情です。
これにより、実習生の理解が追いつかない、集中力が続かない、という問題が生じてきました。全体ミーティング後に実習生が個別に質問にやって来るというケースが頻出し、同じ質問に繰り返し答えることでマネージメント側の負担が増えてしまいました。
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名前を呼ぶ
ミーティングの途中で自分の名前が出ると、話に対する集中力がグッと高まります。そこで、実習生の名前を出しながら作業の指示をするようにしました。
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作業チームのリーダーを明確にする
作業内容によっては、実習生だけで圃場に移動して作業をすることもあります。その場合はチームリーダー役となる実習生を明確に決めておきます。リーダーはミーティングの内容を理解する責任があり、他のメンバーにもきちんと伝えてくれるようになりました。
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作業予定表を見てもらう
最後に
ミーティングに限らず、実習生に指示が伝わらない、話が伝わらないという経験をされる方は多いのではないかと思います。私自身、伝わらないもどかしさや、伝わらないために何度も聞き返される煩わしさを感じてしまう時があります。
しかし、自分がJICA海外協力隊としてボリビアにいた頃の経験を思い出すと、外国語で指示を受けなければならない実習生の苦労もよく分かります。日本語であれば何の苦労もなく自然と理解できていた言葉が、慣れない外国語になった瞬間に急に頭の中に入って来なくなるのです。理解するためには、聞こえてくる言葉全てに意識を集中していないといけないのですが、集中力を保つのはとても疲れますし、集中力にも限度があります。
そう考えると、伝わらない理由を全て実習生に押し付けてしまうのはあまりにも酷です。伝える側にも何かやれることはあるのではないか、と思い直すことになります。
今回の記事では毎日の全体ミーティングとその内容を実習生に伝えるためのちょっとした工夫をお伝えしました。皆さんと実習生が業務をよりスムーズに気持ちよく進めるための参考になれば嬉しいです。