今回は、きっと観光ガイドブックには載っていないであろう、インドネシア西ジャワ州の農業高校の「学校グルメ」をご紹介します!
朝から揚げ物!?
インドネシアでは、家で朝食をとらず、通学・通勤途中に購入して食べることが一般的です。乗り合いバスやバイクで登校する生徒たちも、通学の途中に買ってきたり、校内にある屋台で買ったりして、授業が始まる前に(時には授業時間が始まっていても)教室で朝食を食べています。校内の屋台では朝から揚げ物のおかずが売られています。キャベツやニンジンを混ぜて揚げたかき揚げのようなものや、薄揚げの中に野菜を詰めて揚げた「ゲフ」(または「タフイシ」)が人気で、揚げ物がインドネシアでいかにポピュラーなのかが分かります。そこに、インドネシア料理に欠かせないサンバル(トウガラシや赤玉ねぎなど石臼ですり潰した激辛のソース)やチリパウダーを自由にかけることができます。インドネシアに来てすぐの頃は「胃もたれしそう…」と朝一番の揚げ物は避けていましたが、今となってはすっかり慣れてしまいました。
校門前に並ぶ屋台
休み時間には(時には授業時間であっても)学校内や校門前にずらっと並ぶ屋台で軽食を買う生徒が多く見られます。これらの屋台は街からやってきて、朝~夕方の学生がいる時間帯に営業しています。インドネシア料理として有名な「ナシゴレン」や、カットフルーツに椰子砂糖のソースをかけて食べる「ルジャック」、その他各種の揚げ物が売られていて、Rp. 5,000~10,000(ルピア)(約50~100円)で小腹が満たせます。最近私がハマっている屋台料理は「ンペンペ」。タピオカ粉と魚のすり身を混ぜた生地にとき卵を包んだものを茹でてから揚げた料理です。モチモチ生地の団子に甘酸っぱい餡がよく合い、おやつにうってつけです。
それから、ぜひ紹介したいのは「スブラック」。インスタント麺やマカロニに、エビせんべい、魚肉ソーセージ、卵などの具材を加え、うま味調味料と塩、サンバルで煮るシンプルな料理です。私の赴任している地域に多いスンダ人にはとても馴染み深い食べ物のようです。私は辛いものが苦手なので、いつも辛味抜きで作ってもらっています。いろいろな具材の食感が楽しく、いかにもジャンクフードらしい濃い味のスープが美味しい庶民的なグルメです。学校の屋台でRp. 10,000(約100円)で売られています。
これらの価格は私の感覚では破格に安く思えます。しかし、インドネシア中央統計局のデータによると、2022年度西ジャワ州の農林水産業従事者の平均月収はRp. 2,029,852 (約19,000円)であり、家族が農業従事者である割合の高い農業高校の生徒にとっては一日数百円の食事代が少なからぬ負担となっているようです。同僚の先生たちの話を聞くと、日々の朝昼のご飯代が苦しくて学校に来るのをやめてしまう生徒もいるようです。
(参考:BADAN PUSAT STATISTIK(インドネシア各地域ごとの月収:英語、インドネシア語) )