今回は、外国で取得した運転免許を日本の免許に切り替える方法について解説します。
各自治体の運転免許センター(福井県では「運転者教育センター」という名称)にて切り替えを申請し、試験に合格すれば、日本の免許に切り替えることができます。その手順について、簡単に説明します。
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運転免許切替の点検
まず、外国で取得した運転免許証を運転免許センターで点検してもらいます。この点検で「支障あり」と判断されると以降の手続きが進められないため、適切な準備が必要です。
準備物・外国の運転免許証
・外国の運転免許証の翻訳文
・免許が正式なものであることを証明する書類(必要に応じて)
・在留カード
・パスポート
・住民票(国籍の記載が必要、マイナンバーの記載があると受け付けられないので注意)インドネシアの運転免許証に関する注意点については、一つ前の記事「運転免許を取得しよう!②外国人材が日本で免許を取得するには?」で詳しく説明していますので、ぜひそちらをご参照ください。
なお、「外国の運転免許証の翻訳文」は自身で作成したものは認められません。JAF(日本自動車連盟)または在日インドネシア大使館に作成を依頼してください。また、点検時には、自国での免許取得プロセスについてのインタビューがあります。日本語でのコミュニケーションが難しい場合は、通訳の同行が必要です。
注意点点検には事前予約が必要です。福井県では予約が非常に混雑しており、4カ月ほど待つ場合があります。これは免許切替を希望する外国人が増加しているためです。余裕をもって早めの手続きを心がけましょう。弊社でも早めの予約を徹底し、点検や試験の待ち時間を最小限に抑えるよう努めています。
点検結果は約2週間以内に通知され、合格すると適性試験に進むことができます。
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適性試験
視力検査を受け、問題がなければ筆記試験に進みます。
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筆記試験
筆記試験では、日本の交通法令に関する○×形式の問題が10問出題され、7問以上正解で合格です。
福井の運転者教育センターでは、2024年7月からインドネシア語対応が開始されており、安心して受験できます。ただし、インドネシアと日本では標識の種類に違いがあるため、事前学習は欠かせません(日本の標識はインドネシアよりも種類が多いようです)。 -
実技試験
筆記試験に合格すると、次は実技試験です。試験コースの説明を受け、その指示通りに運転します。
よくある減点ポイント・ウィンカーの出し遅れ
・一時停止線オーバー
・安全確認不足
・S字カーブやクランクでの脱輪運転に慣れている方でも1回で合格するのは難しい場合が多いです。
また、余談になるかもしれませんが、福井の運転者教育センターでは車種によって6速ミッション車(ローギアの隣にバックギアがあるタイプ)を使用する場合があり、未経験者には大きなプレッシャーになることがあります。実技試験対策実技試験対策の練習が必要ですが、免許がないため公道での練習はできません。そのため、以下の方法を活用してください。
・運転免許センターの場内コース開放を利用する(福井県ではコロナで中止していましたが、令和6年7月より再開しました)。
・自動車学校で「ペーパードライバー講習」を受ける(免許センターと同じコースで教習を受けられる場合があります)弊社では、試験日前に自動車学校で数時間練習を行い、合格率を高めるサポートを行なっています。
合格までの期間と注意点実技試験は早い方で2回、遅い方で9回ほどで合格しています(弊社支援実績)。不合格の場合、次回の試験予約まで1~2カ月以上待つこともあります。特に最近では免許切替を希望する外国人が増加しており、予約が取りづらい状況です。そのため、毎回の試験に向けて十分な練習をして挑むことが重要です。
免許の切り替えには、最短でも半年ほどかかってしまうのが現状です(9回目で合格した方は1年以上かかりました)。
準中型免許への切り替えインドネシアの普通免許は3.5トン以下に対応しています(「未満」ではなく「以下」である点がポイント)。そのため、最初から準中型免許への切り替えも可能です。ただし、実技試験のハードルは上がります。仕事で大きな車に乗る必要がある場合は検討してみてください。
なお、大型免許や大型特殊免許などの取得については、日本人と同じ要件が適用されます。
まとめ
・運転免許切替の手続きは複雑ですが、早めの準備で待ち時間を短縮し、効率よく進めることが可能です。
・筆記試験や実技試験の事前対策が合格の鍵となります。事前練習や情報共有を徹底しましょう。
・運転免許の取得は、生活や仕事の幅を広げる大きな一歩です。時間がかかっても粘り強く挑戦してください。