私は現在インドネシア西ジャワ州の国立タンジュンサリ農業高校に配属されています。今記事では、園芸作物学科の実習授業について紹介します。
園芸作物学科の授業
現在、私はインドネシア国立タンジュンサリ農業高校に派遣され、主に園芸作物学科の授業に参加しています。園芸作物学科の生徒は、国語、数学、英語などの一般教科に加え、野菜や穀物などの作物生産、観葉植物栽培などについても学びます。
園芸作物学科の野菜栽培実習
野菜栽培の実習は、クウシンサイ、レタス、ソシン(コマツナの仲間)などの葉物野菜、トウガラシ、キュウリなど、地域農業でよく栽培されている品目を題材に行われています。学校は敷地面積が圃場だけでも10ha以上ととても広大なので、生徒一人につき1つの畝を作るところから経験することができます。収穫した野菜は生徒自らが洗って束ね、校内で販売されます。
身の回りのものを工夫して農業資材として使う様子は、日本ではなかなか見られない光景です。ジュースの空容器を育苗ポットとして再利用する方法や、鉈で割った竹を豆栽培の支柱として活用する様子がとても新鮮に感じられました。ポイ捨てされていたペットボトル容器が野菜の水やりに役立つこともあります。
施設園芸については、政府の資金援助によって作られたガラスハウスや水耕栽培などの設備がありますが、これらの多くが破損しており、改修資金不足で放置状態にあるのが現在の大きな課題です。また、乾季には水不足が深刻化し、実習授業が困難になることも学校が抱える問題の一つです。
学校での実習に加えて、12年生は近隣地域の農業関連企業に3ヶ月泊まり込みで技能実習を行います。園芸作物学科の生徒は、野菜や果樹の種苗会社や葉物野菜を大規模に水耕栽培する企業に5~10人程度ずつ割り振られ、寮での共同生活をしながら日々の作業を学びます。初めて親元を離れた生活を経て、学校に帰ってきた生徒たちは数か月の間に逞しくなったように見えます。このような実習は、学校の「卒業後に企業で即戦力となる生徒を育成する」という教育目標に沿って行われています。