私は現在インドネシア西ジャワ州の国立タンジュンサリ農業高校に配属されています。この学校と日本の高校との違いや共通点、また実際に私が体験して驚いたことなどについて、複数の記事を通じて紹介していきます。
タンジュンサリ農業高校
私は青年海外協力隊として、インドネシア西ジャワ州のタンジュンサリ農業高校で活動しています。この学校は西ジャワ州内でも規模が大きく、2023年度時点で約1100名の生徒と約100名の教職員やスタッフが在籍しています。県内では最も歴史のある農業高校です。また、国立高校で学費が安いこともあって、地域の学生には人気の進学先となっています。園芸作物、養殖漁業、畜産、プランテーション農業、食品加工の5つ学科があり、国語、数学などの普通教科に加えて、学科ごとの技能教科の授業があります。通常授業には日本語の授業もあり、生徒の卒業後の進路として日本での就労が大きく期待されています。日本の学校との大きな違いとして、イスラム教教育が挙げられます。通常授業に加えてイスラム教の宗教行事が盛んに行われ、生徒の参加は必須となっています。
授業は月曜日から金曜日まで行われ、時間割は7:00~15:00に休み時間を2回含む形で組まれています。しかし、先生の都合や授業進度、生徒の集中力に応じてかなり柔軟に授業時間が変動し、当初の予定より20~30分変わることも珍しくありません。始業/終業を示すチャイムがないことも一因かもしれません。
農園たやとの交流
タンジュンサリ農業高校は、20年以上にわたり「農園たや」との交流が続いています。
2002年に横浜で開催された全国高等学校総合文化祭にタンジュンサリ農業高校が招待された際、農園たやの園主が通訳として関わったことが交流の始まりでした。同年、福井農林高校とタンジュンサリ農業高校の友好提携が締結され、2003年からは相互訪問事業がスタート。園主はこの交流において通訳兼アドバイザーとして活動しました。さらなる農業研修プログラムの構築を望むタンジュンサリ農業高校の意向で、2008年にはタンジュンサリ農業高校卒業生を対象とした、農園たやでの農業技能実習プログラムが開始されました。
インドネシアの教育課程
インドネシアの教育課程は日本と同様で、小学校6年間と中学校3年間が義務教育とされています。高等学校3年間は中等教育として位置付けられ、15歳~18歳の生徒が通っています。学年の呼び方は小学校から通して数えるため、10~12年生となります。インドネシアでの初等教育進学率は約97%であるのに対し、高校進学率は60%程度で年々僅かながら増加傾向にありますが、地域差が大きく、教育格差も問題となっています。
▼参考
インドネシア教育文化省高等教育総局調査 STATISTIK PENDIDIKAN 2023
インドネシア総合研究所