来日直後の技能実習生は、母国から持ってきたお金が頼りになります。実習生が日本で自分の給与を手にするのは、意外に長いタイムラグがあります。
通常、実習生は来日してから1か月~2か月ほど監理団体での研修があります。研修修了後に仕事を開始し、その翌月に給与支払い日が来てようやく給与を手にします。来日してから長い方で、3ヵ月経ってから給与を手にした、という方も少なくないでしょう。特定技能の方のように、来日直後から仕事をしていても、やはり最初の給与日は来日後1か月ほど経ってからになります。それまでは自分のお金で生活するしかありません。ただし監理団体での研修中は、食事や研修場所を監理団体が用意する場合が多く、生活に必要なお金はそれほど多くありません。お小遣いまで支給されるかどうかは、それぞれの企業や監理団体で対応が違うので確認してみてください。
こうした状況の中では、最初の給与日までお金が足りないこともままあります。弊社にやってきた実習生の場合、平均で2万円ほどは現金で持ってきますが、数か月をそれで生活するのはなかなか困難です。弊社では、監理団体の研修期間中に、研修手当として3万円を支給していましたが、それでも十分でないようで、先輩実習生からお金を借りているケースもありました。個人的な貸し借りを禁止はしておりませんが、やはりトラブルのもとになると考え、必要であれば会社がお金を貸すことにしております。
基本的にはお金の貸し借りはしたくはないのですが、実習生にも事情があります。来日前の日本語学校や渡航準備費用(飛行機代は会社負担です)などで、借金をして来日する方もいます。インドネシア政府も実習生用に出発資金や日本語教育資金のために融資を用意しておりますが、利子が年利6%ほどあり、返済も借りた翌月から始まるため資金繰りが難しく、お金が苦しい立場の方もいます。そういう状況のため、普段は行わないのですが、来日直後だけお金を貸す場合があります。
お金を貸す場合はきちんと借用書を用意し、お互いが理解し合意することが大切です。弊社では、日本語とインドネシア語両方で表記された借用書を使っています。借用書のフォーマットをあげておきますので、必要であれば使ってください。返済は、実習生の方と話し合いで決めます。お金を貸すことでその方とトラブルともなることもあるので、そのリスクを考え、貸すお金の金額と返済方法は慎重に話し合いをしてください。監理団体の方にも入ってもらって、話し合いを進めた方が良いと思われます。
せっかく日本に来ても、先輩実習生とお金でトラブルになっては大変です。会社と第三者が入ることで、そうしたトラブルも回避でき、憧れの日本での生活を気持ちよくスタートしてもらいたいです。
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