帰国後のビジネスを成功させるために、実習生にビジネスプランを作成してもらう取り組みをしています。(参照「ビジネスプランの10ステップ」)
今回は、その第8ステップ「SWOT分析」についてお伝えしたいと思います。
第8ステップ=SWOT分析
SWOT(スウォット)分析とは、ビジネスの内部環境と外部環境を強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の4つの要素として洗い出し、分析する手法です。
ビジネスの現状把握や戦略立案に役立つフレームワークです。
第6ステップで作成した内部要因と外部要因は、そのままSWOT分析の内部環境と外部環境として利用できます。4つの要素を書き込んだあと、それぞれの要素を組み合わせて戦略を立てます。
SWOT分析の戦略立案
① 強み × 機会:自社の競争優位活かして機会を最大限に利用するには?
② 弱み × 機会:自社の弱みを補強・克服して機会を逃さない対策はできないか?
③ 強み × 脅威:自社の競争優位を活かして脅威を回避するには?
④ 弱み × 脅威:自社の弱みを補強・克服して脅威を回避、影響を最小化する対策はできないか?
第6ステップでも触れましたが、多くのインドネシアの農家は、自分のビジネスが上手くいかない理由を外部環境の脅威(例えば天候不順など)のせいにしてしまい、自分では対応できないと諦めてしまう傾向があります。しかし、③や④のように、自社の強みを活かしたり、弱みを補強・克服したりすることで外部環境の脅威に対応していくことは可能です。
例えば、弊社では「コロナ禍で飲食店向けの農産物の販売が低下」という外部環境の脅威に対して、次のような戦略を取りました。
・強み × 脅威:「品質の高さ」を活かして、コロナ禍で逆に販売好調になった量販のスーパーに「高価格帯野菜」として提案し、一定の利益を確保。
・弱み × 脅威:弱みであった「ネット販売」を新たに開設し、個人向け販売を強化。
SWOT分析のポイント
SWOT分析は主観的な判断に陥りやすいという難しさがあり、分析者の経験や考え方によって結果が大きく変わります。より精度の高い結果を得るためには。複数人で分析を行ったり、経験ある方に意見を求めたりすることが重要です。有能なファシリテーターの下で行うことも検討が必要です。
また、内部環境の強みや弱みから考えてしまうと独りよがりの分析になりがちですが、内部環境の変化によって外部環境に対応するという意識を持つことで、SWOT分析をより効果的に活用できます。
実習生たちのビジネスへの行動を加速させるためには、内部環境をどう変えていくかの行動指針を明確にすることが重要です。